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新型コロナウイルス感染者が国内で確認されて1年。感染対策確立のためにどのような対策を講じているのか?歯科医院対象に一斉調査を行いました。

Q.1 コロナ禍以降、診療時に装着するようになった防護アイテムは?

上位に入ったフェイスシールドやゴーグルなどのアイプロテクターは、眼の結膜からの感染を防ぐために着用が有効的です。
直接的な感染だけでなく、不用意に眼を触ることを防ぐことで感染予防にもつながるため、着用者が増えました。そうした中で、マスク・フェイスシールド・ゴーグルなどのアイプロテクター・[未滅菌]アイソレーションガウン・キャップの防護衣をすべて装着している医院は全体の3.1%。そこまで割合が高くなかった理由としては、やはり毎回交換を行うオペレーションやコスト面などの課題が影響しているようです。
「その他」の回答では、アームカバーや使い捨てのビニールエプロン、首から下げるクレベリンを装着するようになったとの声も挙がっていました。

Q.2 コロナ禍以降、予約数や集患方法に変化はありましたか?

2020年第1回目の緊急事態宣言が出た時期は予約制限を行っていたが、現在は通常通りになったという複数の回答があり、約4割の医院が通常通りの診療を行っているようです。しかし、予約制限を行っている医院もまだ多くあり、「予約の時間を空け、待合室で待たせないように設定」や「時短日を作る」、「完全予約制に変更」といった対策を取っているようです。

Q.3 スタッフ間の感染対策として取り決めた内容は?

“当たり前”となった「検温・消毒の徹底」以外に多かった回答が「昼食は別々に取る」「ユニフォームの毎日交換」です。職場内感染を防ぐために、「私語厳禁」や「スタッフルームの使用時間制限」といったルールを設けている医院もありました。ユニフォームに関しては交換だけでなく、専用洗濯機の購入をした事例や滅菌を行っている医院もあります。また、勉強会を定期的に開き、感染対策に対する意識を緩めない方法を模索している医院も多いようです。

Q.4 感染対策として新しく導入した診療機械や器具材料は?

堂々の1位は厚生労働省も推奨する「口腔外バキューム」。感染拡大防止等支援事業の支援金が支給されたこともあり、診療機械の導入を行う医院が増えました。そうした中で、「オゾン発生器」や「口腔内スキャナ―」を導入したという声が多くあり、上位にランキング。CAD/CAM冠の保険適応範囲の拡大から口腔内スキャナー導入が
広がりつつありましたが、作業工程の削減といった観点から感染対策にも効果があり需要が高まっています。

Q.5 コロナ禍以降にディスポーザブル品を導入したものや交換頻度を短くした診療アイテムは?

診療アイテムもディスポーザブル化や交換頻度の活発化が進み、Q3でも挙がりましたユニフォーム交換の見直しは、多くの医院で取り組んでいるようです。ディスポーザブル化した商品で多かった意見は、左記以外ですとペーパートレイやPMTCで使用するブラシ、基本セット類など。使い捨てにすることで、感染対策だけでなくスタッフの洗浄・滅菌などの作業負担も軽減されるとあって、働き方の見直しも行われています。

Q.6 待合室設備に関してコロナ禍以降に変更した内容は?

おもちゃ・雑誌の撤去をはじめ、不特定多数の人が触れる可能性のあるものは、できるだけ排除する方向で進めているようです。お金のやり取りも行われるため、上記にもあるキャッシュレス決済や、自動精算機の導入を始めたといった回答も複数ありました。そして、デジタル化の加速に伴い、オンライン問診票を導入された医院もあるようです。歯科診療所の電子カルテ導入率は44.2%(厚生労働省調べ)ですので、今後普及は確実に進んでいくと思われます。

Q.7 「これはオリジナルだ!」という感染対策を教えてください。

Q.8 コロナ禍以降に売上が伸びた物販商品がございましたか?

コロナ禍以降、診療前に洗口剤を使用したうがいを取り入れている医院が多く、その流れで洗口剤の物販売り上げが伸びているそうです。そして、舌清掃がコロナ感染対策に効果的といった内容が情報番組で取り上げられた影響で、コロナ禍以前はまったく売れていなかった「舌クリーナー」が急速に伸びたといった声もありました。

Q.9 大阪府吉村知事の ─「大阪にある歯科医院のクラスター発生ゼロは感染対策の賜物」─ に対するお考えを聞かせてください。

1996年に発信された「スタンダード・プリコーション(標準予防策)」。コロナ禍以前からの感染対策や消毒態勢が良い結果を招いているといったご意見を多数いただきました。また、来院される患者さんの意識の高さも重要で、どちらか一方だけの対策では感染を防げないことが証明された結果ではないでしょうか。今後クラスターを発生させないためにも感染対策への意識の維持が重要になってきます。フィードができることの1つとして、こうした情報発信を継続的に行っていきたいと考えております。様々な対策や知恵を駆使してコロナ危機をみんなで乗り越えていきましょう。

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