リコール率が上がらない
司会 さて、歯科医院経営のリアルな悩みを康本塾主宰・康本征史先生が解決していく本企画。早速ですが、相談者の先生が抱えている経営の悩みは?
相談者 当院はまだ開業して数ヶ月で、そろそろ3ヶ月リコールの時期に差し掛かっています。しかしリコールのハガキを送っても、患者さんからのリアクションが思ったより弱いと感じます。リコール率を上げるポイントはありますか?
康本 まず、送ったハガキの文面を簡単に教えてもらえますか?
相談者 ざっくり言えば、「そろそろ歯石が溜まるのでチェックを受けましょう」という定型文の後に、スタッフの手書きで「次回は○月頃なので予約のお電話をお願いします」といった追記をしています。
康本 なるほど。このような文面は「ご都合ハガキ」と言って、患者さんの都合を聞いているだけなので、リコール率は2割くらいに留まるはずですが、いかがですか?
相談者 まさにそのくらいです。
康本 少しの工夫で、リコール率を6割くらいまで上げられます。一番のポイントは、受付での応対にあります。
受付の「とあるテク」
康本 受付が言うべきトークは決まっていて、まず「今日で診察は終わりです」と治療が終了したことを患者さんにきちんと伝えます。その上で「今の状態を維持するには◯ヶ月後に定期健診に来てください。◯月頃すでに予定が入っているところはありますか?」とここまで一気に話します。その際「空いている日時はありますか?」と聞いてはいけません。数ヶ月先の予定は、ほとんどの患者さんは空いているはず。なので「◯月◯日はどうですか?」とピンポイントで聞いてみてください。
相談者 でも、数ヶ月先の予約を取ることは嫌がられそうな気がします。
康本 そういう場合は「〝仮〟予約を取っておきますね。もし都合が悪くなったらお電話ください」という言い方をしましょう。そうすれば、電話が来てもキャンセルではなく予約の〝変更〟に落ち着きます。このあたりの、受付スタッフの滑らかなトークを磨いていくのがよろしいかと思います。
相談者 なるほど。早速院内でも実践してみます。
康本 6割からさらにリコール率を上げるためには、予約確認のハガキを送ったり、そこに歯科衛生士が一言を添えるなどの工夫が必要になります。