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新型コロナウィルス感染症は、日本ではほぼ収束されたと言っても良い状況となりました。もちろん、東京をはじめとした一部地域では、まだまだ安心しきれないこと、第2波、第3波の可能性がいつでもすぐそばにあることを忘れてはいけません。
落ち着いてきた今だからこそ、しっかりと体制の立て直しを図って行きましょう。もともと歯科医院は3密デザイン(密集、密接、密閉)です。待合室は小さく、急患が入れば座る場所すら十分になく、1.8m間隔を空けることになれば1~2人しか座れない歯科医院も多いのではないでしょうか。かと言って、今から大きくできるわけでもありません。
医療機関としては苦渋の決断でもありますが、withコロナでは、患者数の制限が必要となります。一方、制限すれば医院経営に大きな影響が出てきます。「売上=客単価*客数」という一般式に従えば、“患者数を減らす”=“客単価(診療1回当たりの売上)を増やす”ことで売上を減らさずに済みます。
仮に、『患者数を20%減らす』場合、1日当たりの来院平均人数25人の医院であれば、5人です。確かに5人分の売上は減りますが、5人分の治療に必要だった時間が残ります。その時間を使って、20人の来院患者に『何かしてあげることはないか』探して欲しいのです。
時間がなくて「次回に…」と回していた、スケーリングを1ブロック行うとか、もう1歯処置を行うとか。あるいは、カウンセリングや補綴コンサルの時間に当てるとか、withコロナだからこそ、患者さんも少ない回数で治したいと思っていることでしょう。
全国のレセプト1枚当たりの平均は1200点、実日数を1.5とすると、1回あたりは800点。減少した2割分は160点。それが5人分で800点。それを20人で補うなら、1人40点。スケーリング1ブロックで十分お釣りがきます。65歳以上なら、舌圧検査をすれば140点、小児なら、口唇力検査をすれば100点です。いずれも5分もあれば十分検査できます。
今年の保険改定では、これまで以上に『管理』という言葉が出てきます。そして、様々な『管理』に点数が付いているのです。これからの医療需要を示した図では、『治療中心型』から『治療・管理・連携型』へと予測されています(図1)。
withコロナ、afterコロナ時代において、ますます口腔内環境の適正管理が重要視されていきます。医院の体制を、これを機に『治療もできるが、管理もできる』医院へと変革していく良いチャンスだと考えてみてください。

康本 征史
日本歯科イノベーション協会(JDI) 会長
柏の葉総合歯科・小児歯科 院長
1994年康本歯科クリニック開業。2000年予防歯科センターを増設し、定期管理型歯科医院として業績を伸ばす。各地域での講演会だけでなく、21世紀の歯科医院経営の追求を目的とした「康本塾」「次代塾」を主宰する等、精力的に活動中。

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