歯科メタバースを用いることで
最適の治療方法や関連するリスクとベネフィットについてリアルタイムで全世界との情報交換が実現
『ADEPT Endodontics Academy』
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https://syconsulinc.wixsite.com/adeptedu
世界最先端の教育を牽引してきた教育のプロフェショナルが監修する、革新的な年間教育が始動
グローバルな時代、日本の歯科医師は新たな取り組みに挑戦して、キャリアアップをしたいと考えています。⻭科医師の米国臨床留学は、一つのキャリアアップとして人気があります。その理由は、希望する臨床に特化した教育を包括的に学べる、臨床教育トレーニングが確立しているからです。現状は、多くの歯科医師は、さまざまな理由でこの海外臨床留学によるキャリアアップを選択することができません。
私はニューヨーク⼤学歯学部准教授として、米国歯科医師が歯科専門医としてキャリアアップを目指すことを大学教育者として指導・応援してきました。私が主催するADEPT(アドバンスト歯科教育トレーニングプログラム)は、米国歯科専門医教育で世界最先端の教育を牽引してきた教育のプロフェショナルが監修する、革新的な年間教育プログラムです。私の使命は、日本の歯科医師が世界最先端の臨床歯科教育を学べる機会を提供し、さらなるキャリアアップの実現に向けて、臨床医・教育者・研究者・学者としての経験と実績を基に、お手伝いすることです。
グローバルスタンダード教育と教育者の質
グローバルスタンダード(世界標準)という言葉は、歯科教育において、臨床や研究の最新の専門知識だけでなく、国際的な経験と実績に加え、その指導力とコミュニケーション能力などを指導者から学べる教育と考えます。
教育の質は、指導者が何を教え、何を教えられないかで決まります。教える側と学ぶ側のコミュニケーション不足やその方法が効果的でないと、臨床教育で一番重要な自律的な学習能力を育てることができません。学習した臨床教育を実際の臨床で活かされているかを可視化できれば、問題点に気づき、改善方法に取り組むことができます。
卒後教育としての歯科臨床トレーニングの現状は、オン・ザ・ジョブのトレーニングで、職場の治療を通じて知識、技術などを身につけます。このトレーニング方法は、“know-how”で、こういうときはこうすればよい、という「知る」と「方法・やり方」の積み重ねで、『自分が学べる』技術と知識体系が偏ります。自身が行う治療の観察から気付きが生まれ、“知らないこと”にフォーカスし探求する行動が始まることで、高い意識を維持して学習することができます。
ADEPTは、最先端デジタル技術から開発したアプリを用いて、臨床の現場で学んだ成果を可視化し、一流の専門医が随時フィードバックをします。ADEPTで学んだ歯科医師は、この臨床教育支援システムにより、卒業後も自律的な学習能力を伸ばすことができます。
患者専用のモデルでトレーニングすることを可能にする最先端デジタル技術
ADEPTで活用する最先端デジタル技術は、歯科医師に必要なロジカルシンキングと実践で通用する医療技術を磨く学習に大きく貢献します。CBCTデータから再構築した3Dバーチャルモデルをスマートフォンやタブレットのスクリーン上で現実空間や仮想空間に重ねて観察でき、歯科医師や患者と簡単に共有することができます。仮想空間上では、ヘッドマウンティングデバイス(HMD)越しに、使用する器具などのイメージを使用して、治療手技のシミュレーションを行うことができます。
スマートフォンやHMDで観察できる解像度の高い3Dバーチャルモデルは、観察したい解剖構造を選択的に見ることができ、三次元的位置関係の直感的な理解を可能にします。根管形態は、術前に詳細に観察できるため、すでに根管口の数、形と位置を完全に理解した上で、治療を始めるため、マイクロスクープなどの拡大鏡に依存する負担が減ります。これは、治療時に現実空間で見えるであろう髄床底のイメージを、事前に3Dバーチャルモデルで視覚的に観察・検証したものを、デジタルツインと呼びます。したがって、3Dバーチャルモデルで検証した様子が、治療時の現実空間で再び見ることになります。同じように、治療手技などのシミュレーションを行うことで、実際の治療時の負担を減らすことができます。
3Dバーチャルモデルは、現実空間の3Dプリンティングモデルと組み合わせて、患者に合わせた歯科治療の手順をシミュレーションする最先端のシステムを構築することができます。従来の治療トレーニングでは、実際に治療する患者モデルを使用しない環境で習得したスキルを、担当患者の治療で使用するため、多くの課題に直面しています。
ADEPTで活用する最先端デジタル技術は、歯科医師が患者専用のモデルでトレーニングすることを可能にします。そして最後に、患者に対して治療を実行するのです。この革新的な治療トレーニングシステムは、患者治療の際に歯科医師の自信を大きく向上でき、治療時の負担を減らす新しいアプローチです。
プログラムのゴールは1年間で完全習得する実践的判断能力
ADEPTが提供するプログラムは、米国歯科専門医教育で世界最先端の教育を牽引してきた教育のプロフェッショナルから学ぶという歯科医の教育ニーズを満たすために特別に設計しています。実践的判断の能力は、患者から得られた全ての情報の関係性を読み解きながら、適切に判断するスキルです。臨床で適切な治療を行うためには、臨床経験だけや科学的知見だけでは不十分で、標準化された医療プロトコールがその患者にとって最善であるかどうかの判断、最良の科学的知見が個々の患者に最適に適用するかどうかの判断が重要です。この実践的判断能力は、1年間、教育のプロフェショナルとのディスカッションを通して身に付きます。
デジタルツインは、現実世界の一部を仮想空間で再現するシステムであり、リアルタイムデータから更新される仮想世界を表します。デジタルツインによるプロセスの検証は、すでにリアルタイムデータが双方向の情報フローを中心に設計され、プロセスを変更することで絶えず更新されるデータは、AIの能力を高め多くの視点からより多くの問題を研究することができます。仮想空間で交流が可能なメタバースは、教育・治療シュミレーションに有効な環境で、全世界の医療関係者、研究者がリアルタイムで情報交換、議論を可能にします。
歯科教育・治療支援における3Dバーチャルモデルを用いる治療シュミレーションも、世界中の叡智と技術がAIに統合されることにより、その症例に最適の治療方法と関連するリスクとベネフィットを事前に高い確率で知ることができ、より安全で安心な医療を患者に届けることができるようになるでしょう。私たちが取り組んでいる2023年大阪で開催される「ATC OSAKA MIRAI EXPO」では、みなさまと一緒に歯科医療の未来を共有します。会場でお会いできるのを楽しみにしています。