もうコロナが始まって2年になる。学会や勉強会の多くはオンラインになり、海外旅行も行けず、食事を通じた交流も激減した。誰がこんな事態を予想できただろうか。もううんざりだ、と言いながら、引きこもりのようなこの生活に慣れてきている自分もいる。読者の皆様はいかがだろうか?
いつ元の生活に戻れるのか予測ができない。そう、先のことは誰にもわからないのだ。かつて、ノストラダムスの大予言という1999年地球が滅びるというオカルト話があった。オカルトと言いながらも当時はテレビやマスコミなどこぞって取り上げていて、誰もが知っている話だと思っていたが、最近のスタッフには「えっ?何ですかそれ?」と怪訝な顔をされる。よくあるジェネレーションギャップだが、まさか、全く知らないのである…。(ちなみにFEED NOTE担当のK氏はかろうじて知っていた。もし知らなかったらこの原稿はボツになっていただろう…)。このコロナ狂騒も数十年後は同じようになっている可能性がある。
さて予言は難しいと話したが、大昔は天候の変化が生死を左右することが今よりもっとたくさんあった。もし現代のように予め分かっていたら、雪山で遭難し「天は我々を見放した」という名言も生まれなかったかもしれない(この話がわかる方は私より少し上の世代である)。今でこそ天気を予測する人を「お天気お姉さん」などとフランクに呼んでいるが、もっと崇められるべき存在なのである。
だいぶ、話が脱線したがすこし歯科の話に戻そう。臨床の現場でも予言を求められることはある。
「この歯はどれぐらい長持ちするだろうか?」というテーマで、当然、気にしている患者はとても多く、これをピッタリ当てられればどれだけ患者から一目おかれるだろうか。
「ダメだと思っていたのに、先生のおかげでもう何年もこの歯が使えてうれしいです!」といった賞賛の逆は「治療したのにすぐにダメになった…」というような修羅場と化してしまう。歯の予後を判定する、これは我々にとって死活問題である。
歯周病患者の予後に影響する因子を調査したM.McGuire の有名な論文がある。これによると根分岐部病変が存在すると歯の予後は悪いと述べている。どうやって計測するのか?上顎大臼歯は挿入方向に少しコツがいるが、ファーケーションプローブをグイッと入れるだけである(もちろん、プロービング圧には注意)それが反対側まで届くようであれば3度の根分岐部病変であり、歯周組織再生療法をやってもうまくいかないケースである。3度イコール即、抜歯!ではないが、長期的に保存ができない可能性が高いことは患者に伝えられそうだ。歯の予後判定が変わると治療プランも大きく変わる。今すぐ、簡単にできるオススメのアイテムです!ぜひ、明日からの臨床に!