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7月末にペンシルバニア大学から歯内療法学准教授サムエル・クラッチマン先生と予防修復科学講座臨床教授アラン・アトラス先生をお迎えして「エンドから補綴まで3日間の一気通貫ハンズオンコース」を開催させていただきました。日本での知名度はクラッチマン先生のほうが高いのですが、アトラス先生の世界的な人気、診療上のセンスの良さ、ご自分の仕事にかける熱意とプライド、知識の豊富さと理解の深さにはいつも驚かされます。今回も、「補綴処置をした歯を長持ちさせるためのポスト&コア」「様々なセメント処置の使い分け」「ジルコニアの分類」といった、知識が混乱しがちなトピックをご自身の症例を交えながら、すっきりとわかりやすく整理してくださいました。
講義内容はいつも通り素晴らしかったのですが、わたしにとってはアトラス先生が講義の最後におっしゃった以下の言葉がずっしりと重く、大変印象に残りました。
「皆さんは、10年後・15年後どうなっていたいですか? 自分は最先端の治療を提供し続け、患者さんをもっと喜ばせ続けたい。そのために毎日自分を鍛え上げており、プライベートな余暇など全くない、とてもハードな日々を送っています。ですが、未来の皆さんを実現させるのは、他の誰でもない、皆さん自身です。10年後・15年後の理想の自分を思い浮かべ、是非ともビジョンを持って日々歯科医師として精進してください。」
わたしは特に「ビジョンを持って」という点に共感を覚えました。多忙な日々の診療は、少し気を緩めると、流れ作業になってしまうこともあり得ます。しかし、「何となくルーティンで行う≒ビジョンなき診療の繰り返し」はわたしたちを成長させてはくれません。わたしは、日々勉強を積み重ねつつ、一人一人の患者さんの症状に真摯に向き合い、知識と経験を総動員しながら診査・診断を行い、自分のやりうる最大限の治療を行うという全力投球の連続こそが自分を高めてくれると日々実感しております。
先生方は、歯科医師を目指した時やライセンスをとった時に、どんな歯科医師になろうというビジョンを持ったでしょうか? 患者さんの歯の痛みを治療して感謝される歯科医師ではなかったでしょうか? 残念ながら、制約だらけの保険治療を続けている限り、そのビジョンを完璧に実現させることは叶いません。学んだことを遺憾なく発揮し、患者さんの笑顔や信頼感に還元できるという、プラスのスパイラルが生まれうる自費診療に是非踏み切っていただきたいのです。
ちなみに、現在のわたしのビジョンは、「歯科医師を皆が憧れる職業にする」ことです。そのために、日々、多数の論文を読んで自分の知識をブラッシュアップしながら、全力投球で患者さんに対峙し、その症例をもとに書籍を執筆したり、治療器具を開発したりと大忙しです。
一般的には、歯科医師が過剰などと言われていますが、歯で困っている患者さんは驚くほど多い。これは、歯科医師が患者さんの本当に求めている治療を提供できていないことの表れだと思うのです。真の意味で需要と供給がマッチングできた時、はじめて歯科業界がもっとよくなる気がしています。そのためにも、一人でも多くの先生が一日でも早く自費診療をスタートしてくれると嬉しいなあと考えております!

寺内 吉継
東京医科歯科大学歯髄生物学研究室博士課程修了
デンタルアーツアカデミー主任講師
神奈川県開業。
最先端の歯科関連技術・知識の吸収を目的としたセミナー「デンタルアーツアカデミー」の主任講師として、日本に留まらず世界各国で講演を行うなど、幅広い活動を行う。

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