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前回までのコラムで、自費による根管治療の重要性やメリットを取り上げさせていただきました。先生方の中には、ご興味を持たれ、「早速取り組んでみよう」と思ってくださった方々もいらっしゃるのではないでしょうか? しかし、何の準備もなく自費根管治療の世界に飛び込んでしまうのは失敗のもとです。今回は、自費根管治療において、私が大切にしている5つの心構えをまとめてみました。

①保険診療の枠組み・考え方にとらわれないこと

症例を見た時に、保険適用範囲の診療項目ばかりを思い浮かべるのではなく、ベストソリューションの治療方法を模索することを習慣にしています。「保険」という枠組内で考えている以上、治療の広がり・可能性が限定されてしまいます。

②正しい診査・診断を行うこと

患者さんが歯の痛みを訴えてきたとき、一足飛びに治療を始めるのではなく、「歯の痛みの原因は何だろう?」と、キチンと立ち止まって原因を究明することが重要です。実際、私も歯原性の痛みではない患者さんにしばしばお目にかかりますが、そのような患者さんに対して、いくら根管治療を施しても回復は望めません。まずは、打診・触診などをうまく組み合わせて、正しい診査・診断を行うことを心掛けています。

③顕微鏡・根管治療用超音波 マイクロチップを装備すること

根管内を肉眼で見ることができない以上、顕微鏡なしでは完璧な根管治療を行うことは不可能です。大変高価な機器ではありますが、「根管治療を楽しくする必要アイテム」と考え、是非顕微鏡の装備をお勧めします。

④自分自身への投資を怠らないこと

せっかく高価な顕微鏡を装備し、自分の根管治療へのモチベーションを高めても、正しく機材を使いこなし、効果的な最新治療を展開できなければ、気持ちが空回りしてしまう危険性があります。モチベーションの高まりを日々の治療や患者さんの笑顔に結び付けるためにも、セミナーやハンズオンコースに参加するなど自分自身への投資が重要だと思います。

⑤患者さんに寄り添う接客をすること

自費治療を始めますと、患者さんのクリニックに対する期待値は高まります。私は待合室の雰囲気から受付の対応まで、すべてが自費治療を構成する要素と考えています。患者さんに対するサービス向上をクリニック全体で考えてみてはいかがでしょうか。

上記5点は全てが相互に密接に絡み合い、根管治療成功の土台をなすといっても過言ではない、本当に重要なファクターです。一見ハードルが高く見えますが、どれか1つに取り組み始めると、他の4つも自然についてきます。是非、これらの習慣に取り組んでください。今までとは全く違った日常が見えてくると思います。

③や④でも触れましたが、自費根管治療を始めるにあたって準備しておくべき機材・技術があります。次回はこのテーマについてより深く掘り下げていきたいと思います。

寺内 吉継
東京医科歯科大学歯髄生物学研究室博士課程修了
デンタルアーツアカデミー主任講師
神奈川県開業。
最先端の歯科関連技術・知識の吸収を目的としたセミナー「デンタルアーツアカデミー」の主任講師として、日本に留まらず世界各国で講演を行うなど、幅広い活動を行う。

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