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金融業界には「危機は毎回、別の顔をしてやってくる」という格言があるそうです。
確かに、2008年のリーマンショックでは、それまで「我が世を謳歌してきた」ウォール街系の金融機関が甚大な影響を受け、一時期マンハッタンのコンドミニアムや港区の物件に大変なお買い得感が出たのを思い出します。日本でも家族にリストラに遭ったことを言えなかった多くの外資系金融マンが国会図書館で時間を潰していた、という噂も耳にしました。
しかし今回の「コロナ禍」は様相を別にしています。各国の中央銀行がここまで金融緩和の姿勢を崩していないため、株式相場は高め安定。アメリカでは「富裕層にさらに資産が集中」という記事が出ていました。
我が国でも港区の家賃を反映する「アドバンス・レジデンスREIT」の価格は高値を維持し、「競馬馬の新馬買い付け成約率」並びに「新馬買い付け価格」も高め安定です。
その一方で飲食業や老舗旅館の廃業、アパレル企業のリストラなど気の滅入るニュースを多数目にします。
欧米各国に比べて圧倒的に厚い中間層が根強い内需によって経済の足腰を支えていた我が国ですが、ここにきて経済の二極化が進行しているようです。政府は潤沢とはいえない予算の中で緊急支援のために、助成金や補助金を頻発しており、いよいよ「保険点数の大幅増加」は期待できそうにありません。
私は、先が見えない「コロナ禍」を無事にやりすごすには、やはり「二極化した上の層」をターゲットにした「本物の医療サービス」を提供できる腕を身に付けることが最優先事項の一つと考えております。具体的には、彼らのニーズを満たす分野について最先端の知識や技術を身に付ける努力をいとわないことです。この層の方々は健康の大切さを深く理解されているため、健康に対する支出はValue for money に叶っていれば糸目をつけません。有難いことに、「自分の歯をできる限り残したい。」と考えている方がこの層にはとても多いため、私がオタクっぽく取り組んでいる根管治療は結果としてニーズに合致してきました。
ですが、ストレスが多様化している現状を反映し、患者さんの症状やご相談事も多様化・複雑化し難しさを感じる毎日です。
根管治療の分野以外でも患者さんのニーズに応えられる分野はたくさん存在しそうです!皆様も是非一歩立ち止まってご自身の興味のある分野、得意な分野を見極めその分野のオタクを目指すことをオススメします。
私は、「不況は成長のチャンス!」という京セラ創業者の稲盛会長の言葉を胸に、「いよいよ中途半端な差別化では生き残っていけないぞ。」と気合を入れなおしている今日この頃です。

寺内 吉継
東京医科歯科大学歯髄生物学研究室博士課程修了
デンタルアーツアカデミー主任講師
神奈川県開業。
最先端の歯科関連技術・知識の吸収を目的としたセミナー「デンタルアーツアカデミー」の主任講師として、日本に留まらず世界各国で講演を行うなど、幅広い活動を行う。

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