先日、脳梗塞を患っていたわたしの大学時代の先輩が、必要な医療を受けられずに亡くなりました。また、わたしの家の近所で交通事故が発生し、被害者の小学生は病院をたらい回しにされた挙句、数時間後に亡くなりました。上記いずれも病院側がコロナ対策を最優先し、コロナ以外の患者さんの受け入れをしづらくなっていたがために起きたケースです。
政府の方針や、コロナが「エボラ出血熱と同レベルの指定感染症2類」に分類されていることなどについて、色々な意見や思いをお持ちの方がいらっしゃると思います。2011年に起きた原発事故とそれに続く放射能問題の時のように、「正しい事実」が何であるかは置いておいて、「一人ひとりの落としどころと毎日の過ごし方や心がけ」は人によって違います。このため、「外出を控える」ことを選択され、当然、歯科医院に足を運ぶことを避けてしまう患者さんも少なくないのではないでしょうか?その一方で、いくつか面白い経験をいたしました。
私が主催させていただいているデンタルアーツアカデミーのハンズオンコースにおいて、集まって下さった受講生の皆様に、クリニックの売上動向について質問させていただきました。約2割超の方が前年対比でプラスの売上をあげておられ、その共通点が「自費診療に取り組んでいること」でした。実際わたしのクリニックの売上も夏以降挽回し、最終的には前年対比3割増で着地できました。
先日建築系の設備投資を行うために銀行借入をおこしたところ、担当者の方に「このご時世に前向きな投資でお金を借りる人は『特徴のあるビジネス』をされている方に限られ、とても珍しい」と驚かれました。
自費クリニックを開業するには、「自分の得意分野」や「自分としてのこだわり」を打ち出し、患者さんとしっかりコミュニケーションをとってニーズに応える必要があります。これら「自費診療ならでは」が銀行担当者の言う、他のクリニックに代替しえない「特徴」に繋がっているのでは?と少し自己分析してみました。
いままでどおりの日常生活が送れないことからくるストレスが非歯原性の痛みを引き起こすなど、患者さんの症状は複雑化し、診査診断も難しくなっています。歯が痛ければ無条件で神経を抜くような診療スタイルでは、コロナ禍の中わざわざクリニックに足を運んでくれた患者さんの期待に応えられないのです。
「コロナに負けずに患者さんに来院してもらえる医療サービス」は何か。このコロナ禍は、今一度、こうした基本的なことを歯科医師として考え直すいいチャンスではないでしょうか?
ですが、冒頭の話も併せて考えると、「今はもろもろの事情で満足な医療が受けられない危険性が高いので、普段以上に自分の健康に留意する必要がある」ということは明らかです。
皆様、ストレスのかからない範囲で健康に気を配り、この冬を乗り切りましょう!
最後までお読みくださりありがとうございました。