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2023年のAAE(米国歯内療法学会議)に登壇した講師のうち、最も高い評価を受けたのがAdham Azim先生です。同先生とは、2022年にハンガリーで開催されたESEの懇親会でオタクな話で大変に盛り上がり、親交を深め、招待に成功。先日、私が主催するデンタルアーツアカデミーでハンズオンコースをやっていただきました。Azim先生は今年39歳。にも関わらずバッファロー大学・パシフィック大学の筆頭教授を歴任。バッファロー大学で教授に就任したのは29歳の時でした。従来、『症状がなければ放っておいても良い』と考えられていたスルーアンドスルーリージョンについて、外科的歯内療法が失敗した場合の長期予後を考慮した治療法に高度な統計処理を施し、エビデンスを確立したのです。今回、Azim先生のハンズオンコースを全編翻訳しましたが、その知識量は圧倒的で私自身も大変勉強になりました。トロント大学のFriedman先生の若い頃を彷彿とさせる、ものすごい若手が出てきたと感銘を受けたところです。そんなAzim先生が日々心掛けているのが「新しいエビデンスに謙虚かつ敏感であり続けること」とのこと。具体的には、仮に従来の自分の主張と反対のエビデンスが出てきたら、それを排除するのではなく自分の間違いを受け止め、その要因を究明しようとすることを指すそうです。それが多くの学生を指導し、その将来を担う者の責任である、とおっしゃっていました。
医療分野は人類のQOLに直結する最重要分野ですから、日々世界中で様々な研究がなされ、新しいエビデンスが確立し、結果、医療が発展しております。もし、先生方が昨年と同じ治療を繰り返し行っているのなら、「進化する医療分野において相対的に退化している」ことになります。歯科の保険診療制度の枠組みは70年以上前にスタートいたしましたが、治療のガイドラインは到底世界の趨勢に追いついておりません。今回、日本の保険治療は遅れているどころか、年々退化していることに改めて気づかされました。
ところで、Azim先生と私は約20歳離れています。Friedman先生やTorabinejad先生を目標に「まだまだ自分は若手だ!」と思いながら頑張ってまいりましたが、それなりに年をとったのだなあと実感いたしました。Azim先生が私の年になった時、彼の目に私はどう映るのでしょうか? 少なくとも「老害」にはならないよう、まだまだ謙虚に頑張りたいと思った次第です。そんな若手No.1のAzim先生は2024年の顕微鏡歯科学会に来日し、講演会だけでなく20名様限定のハンズオンコースも行ってくださいます。次世代の歯科界のトップランナーであるAzim先生にお近づきになる絶好のチャンスです! 是非お見逃しなく!!

寺内 吉継
東京医科歯科大学歯髄生物学研究室博士課程修了
デンタルアーツアカデミー主任講師
神奈川県開業。
最先端の歯科関連技術・知識の吸収を目的としたセミナー「デンタルアーツアカデミー」の主任講師として、日本に留まらず世界各国で講演を行うなど、幅広い活動を行う。

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