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ICCMS™ 医療従事者と教育関係者のためのクイックリファレンスガイド(後編)

ICCMS™ は、健康増進と歯質保存を目的として、健康アウトカムに重点を置いたシステムである。本システムでは、ICDASう蝕分類モデルの様式を用いて、 う蝕の簡便な進行ステージ分類と病変活動性の評価を行い、個人に合わせた予防の観点からリスクを改善し、歯質保存的な管理計画を提供する。

患者のリスク因子の管理

者のう蝕リスク因子管理計画には、健全な歯面における新たなう蝕の発生と全ての活動性および非活動性の病変におけるう蝕の進行を抑制することを盛り込む。さらに、患者のう蝕リスクが中等度以上の場合は、う蝕リスクを低減すること、低リスクの場合はそれを維持することを目指す。エビデンスに基づき、ICCMS™では、う蝕の発生または進行の可能性(尤度)に応じて以下に示す処置が推奨される。これらの介入処置の効果は累積的である。
注記:地域ごとに改変が必要となる場合がある。

個々の病変の管理

『個々のう蝕病変の管理』は、病変レベルで個々に計画を立てる。
う蝕管理の計画には、ICCMS™う蝕診断表を用いる。歯面または歯の臨床的う蝕分類と、X線検査によるエナメル質または象牙質病変の重症度)情報が利用可能である場合)をもとに介入の程度を決める。
活動性病変に対する臨床的管理の推奨レベルは左記のように定義される。
▶ M-初期:初期う蝕の管理:非切削での治療―制御
▶ M-中等度:中等度う蝕の管理:病変の非切削での治療あるいは歯質保存的な修復処置
▶ M-E重度:重度う蝕の管理:病変の歯質保存的な修復処置

注記1:国によっては、予防治療の選択肢としてクロルヘキシジンが考慮される場合もある。
注記2:本ガイドは全ての年齢層に対する概要を示す。今後、特定の年齢層を対象としたガイドが作成は有用であろう。
注記3:地域の規制要件および専門家による推奨により、製品中のフッ化物濃度が変更される可能性がある。
注記4:頭頸部の放射線照射、口腔乾燥 – 唾液分泌減退と露髄・潰瘍・瘻孔・膿瘍徴候に対しては、特別な治療が必要である。
注記5:高リスクの患者に対しては、予防処置の頻度を上げるべきである。

経過観察および再来院(リコール)

患者のう蝕状態を再評価し経過観察するための、個人に合わせた来院の間隔を検討する必要がある。リコールの間隔は、年齢(歯の萌出パターンと他の指標)とリスク(病変レベルと患者レベル)により決める。ICCMS™では全体的なリスク管理、予防措置の評価、そして初期病変の経過観察(進行状態を確認するため)を行うためのリコール間隔と、口腔衛生に関する行動の改善を管理するための来院を区別している。
乳歯列における歯冠部う蝕に関しては、患児の協力度合いと乳歯の脱落時期によりう蝕管理を決定する。
乳歯列と永久歯列における歯冠部う蝕に関して推奨される管理の枠組みは左記の通りである。

辻村 傑
つじむら歯科医院グループ 総院長
1993 神奈川歯科大学 卒業
1995 つじむら歯科医院 開業
1997 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008 神奈川歯科大学生体管理医学講座/薬理学分野大学院
2010 南カリフォルニア大学客員研究員/南カリフォルニア大学アンバサダー(任命大使)
2012 ハートフルスマイルデンタルクリニック/茅ヶ崎 開業
2013 インディアナ大学 歯周病学インプラント科/客員講師
2014 インディアナ大学医学部解剖学/顎顔面頭蓋部臨床解剖 認定医

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