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オプティマルヘルス(世代ごとの健康指数)を予防歯科に[1]

【オプティマルヘルス】とは

オプティマルへルスとは各個人にとっての「最良の健康状態」の事を指します。これまでの健康状態とは【病気がある状態】と【病気でない状態】の二つに分けて考えられていました。しかし、つじむら歯科医院の主たる概念である予防医学の観点から考えた場合、〔病気でないこと=健康な状態〕を示すわけではありません。
年代や生活環境により身体の健康状態はそれぞれ異なります。例えば30歳には30歳、60歳には60歳それぞれの世代での健康状態が存在し、各々がその人にとっての「最良の健康状態」を保つためにはどうしたらよいのか?
健康は自分でつくるという考えのもと、老化を最小限に食い止め、身体的にも精神的にも最良の状態を維持するため積極的に健康づくりに励む、それがオプティマルヘルスのベースとなっています。また、【オプティマルヘルス】(最良の健康状態)を保つために目標とすべき検査の値を〔オプティマル・レンジ〕といいます。
つじむら歯科医院では、より健康になっていただけるよう【オプティマルヘルス】について考えていくようになりました。すなわち、「病気ではないのが健康である」という考え方ではなく「最良の健康状態」をつくることが大切なのです。

歯科領域からみるオプティマルヘルス

最良の健康状態を作るために歯科領域から貢献できることも非常に多く、※抗加齢歯科医学会でも次のような文章が挙げられています。
唾液には生体の恒常性に重要な成長因子や抗菌物質など、全身の健康を司る重要な物質が多種多様に含まれており、アンチエイジング医学の実践にも欠くことの出来ないテーマである。
近年、老化を防ぐために抗酸化物質等を摂取する栄養療法の効果が次々に証明されていることから、「ドクターズ・サプリメント」の必要性が求められている。アンチエイジング医学の普及・啓発を行なっている日本抗加齢医学会ではサプリメント摂取は「第3ステップ」に位置づけている。第1ステップは「知識の増大」で、老化の原因は何かなどについて理解を深めることとしている。第2ステップは「ライフスタイルの改造」であり、生活習慣の改善なくしてアンチエイジングの実践は不可能であり、その次にサプリメント摂取となる。
容貌の若さを保つこともアンチエイジングには重要な要素の一つである。歯科領域では審美歯科やインプラントも既に普及しているが、筋機能療法という口腔周囲筋や表情筋を鍛えるトレーニングにより「しわ」や「たるみ」などの改善を行うことも可能であり、これを歯科衛生士の新たな職域として拡大していきたい。
重金属汚染についても歯科領域が深く関与している。歯科治療や義歯などで使用されている歯科用金属や歯科材料が加齢に与える影響も明らかになってきており、これらの診断やその改善に対し、歯科の積極的な取り組みが医科からも期待されている。
口腔粘膜の細胞を用いた遺伝子診断も歯科の新たな診療分野として検討されている。
このような検査により生活習慣病や癌、アルツハイマー病に罹患する危険性がある程度予測できるようになり、この解析と従来の検査を組み合わせることにより歯科における新たな予防法としてのアンチエイジング医療の実践が可能になるだろう。
この文章から考えても歯科領域から果たすことができる役割は大きく、単に口腔内にとどまらず全身の健康状態をある程度把握しなければならないことがわかる。つまり健康状態を検査によって評価・数値化することが大事であり、それがオプティマルヘルス達成のための第一歩となるのではないだろうか。次回はオプティマルヘルスの検査方法について詳しく述べさせていただきます。

辻村 傑
つじむら歯科医院グループ 総院長
1993 神奈川歯科大学 卒業
1995 つじむら歯科医院 開業
1997 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008 神奈川歯科大学生体管理医学講座/薬理学分野大学院
2010 南カリフォルニア大学客員研究員/南カリフォルニア大学アンバサダー(任命大使)
2012 ハートフルスマイルデンタルクリニック/茅ヶ崎 開業
2013 インディアナ大学 歯周病学インプラント科/客員講師
2014 インディアナ大学医学部解剖学/顎顔面頭蓋部臨床解剖 認定医

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