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ストック型予防医療の理論と実践 第24回

ストック型予防医療の理論と実践 第24回

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辻村 傑 辻村 傑
更新日:

院内に歯科衛生アセスメント(口腔内外の診査)を導入しよう!

歯科衛生過程5つのうち、最も臨床導入が優先されるべき「歯科衛生アセスメント」。今回は検査の方法についてご説明します。

Ⅱ 検査の方法

  • 口腔内外の検査は、視覚、触覚、手先や器具による方法で行われる。
  • 診療器具が到達しやすく、また見やすいように患者の位置を決め、適切なライティング、効果的に軟組織の圧排を行うと、正確かつ完全な検査が行える。

A 視診 (外観検査)

  • ▶直視 視診は観察の順序を決めて行う。表面の状態(色、外形、大きさ)を記載し、可動性その他の機能的な徴候を観察する。
  • ▶エックス線検査 エックス線を用いると肉眼では発見できない異常を明らかにできる。
  • ▶透視 強い光で軟組織や歯を直接透過させると歯の異常や歯石の沈着を発見できる。ミラーを把持し、舌側から透過性を見る。

B 触診

  • 触診は組織を介して触れたり、片手または両手の指で圧を加えたときの触覚による検査である。
  • ▶1指で 1本の指で行う。
    〈例〉 示指で下顎舌側の犬歯と小白歯部の下方を触れることで、下顎隆起の存在を確認する。
    ▶2指で 片手の拇指と示指とで行う。
    〈例〉 口唇の触診。(写真1)
  • ▶両手で 両手の手指を同時に協調して用いる。(双手触診)
    〈例〉 一方の示指で口腔底を内部から触診し、他方の手の指で同じ部位を外部からオトガイ下部を挟むようにして触診する。(写真2)
  • ▶左右対称に 両手を同時に用いて、身体の反対側の構造を比較する。
    〈例〉 指をオトガイ下部に置き、顎下リンパ節を触診する。(写真3・写真4)

C 器具の使用

歯周プローブや探針のような検査器具は、歯や歯周組織の検査に用いる。

D 打診

  • 打診は組織の表面や歯を指や器具で叩く。
  • その部位の健康状態は、患者の反応や音で決定する。歯が過敏なときは行ってはならない。

E 電気診

電気歯髄診断器は、歯髄の生死を判断するために用いる。

F 聴診

聴診は、音による検査である。
〈例〉 顎を開閉したときの顎関節のクリック音。(写真5)

次回は、疾患の徴候や自覚症状、検査の準備についてお話しします。

辻村 傑
つじむら歯科医院グループ 総院長
1993 神奈川歯科大学 卒業
1995 つじむら歯科医院 開業
1997 医療法人社団つじむら歯科医院 開設
2008 神奈川歯科大学生体管理医学講座/薬理学分野大学院
2010 南カリフォルニア大学客員研究員/南カリフォルニア大学アンバサダー(任命大使)
2012 ハートフルスマイルデンタルクリニック/茅ヶ崎 開業
2013 インディアナ大学 歯周病学インプラント科/客員講師
2014 インディアナ大学医学部解剖学/顎顔面頭蓋部臨床解剖 認定医

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