Medical Interview 医療面接
予防医療成功の要は説明に対して理解を得ること。「Medical Interview 」について解説していきます。
メディカルインタビュー前準備として対クライエントとのカウンセリングポジションについて
ホールのパーソナルスペース
(personal-space)E.T.Hall:The Hidden Dimension,Anchor books doubleday,1966
パーソナルスペース(英:personal-space)とは、1996年、アメリカの文化人類学者のエドワード・ホールにより提唱された、他人に近付かれると不快に感じる空間のことで、パーソナルエリアとも呼ばれます。ホールはパーソナルスペースを4つのゾーンに大別し、それらをさらに近接相と遠方相の2つに分類しました(Proxemics)。ホールにより、その空間について対人距離を次のように分類しています。(●図表1)
▶密接距離:ごく親しい人に許される空間
近接相(0〜15cm) 抱きしめられる距離。
遠方相(15〜45cm) 頭や腰、脚が簡単に触れ合うことはないが、手で相手に触れるくらいの距離。
▶個体距離:相手の表情が読み取れる空間
近接相(45〜75cm) 相手を捕まえられる距離。
遠方相(75〜120cm) 両方が手を伸ばせば指先が触れあうことができる距離。
▶社会距離:相手に手は届きづらいが、容易に会話ができる空間
近接相(1.2〜2m) 知らない人同士が会話をしたり、商談をする場合に用いられる距離。
遠方相(2〜3.5m) 公式な商談で用いられる距離。
▶公共距離:複数の相手が見渡せる空間
近接相(3.5〜7m) 2者の関係が個人的なものではなく、講演者と聴衆と言うような場合の距離。
遠方相(7m以上) 一般人が社会的な要職にある人物と面会するような場合におかれる距離。
人と人との距離はあまり近過ぎても辛く、反対に大きな机などを挟んで話が聞き取りにくい状況も心地が悪くなります。目線を合わせるために腰をかがめて話をしてくれるアシスタント、歯科衛生士は心地良いなど、全て人が安心する距離が関わっていると言えます。
心理学者ロバート・ソマーのおこなった実験では、会話や共同作業、競争など条件を変え2人の人に席を選ばせてその傾向を分析しています。その結果わかったことは、お互いの座る場所や体の向きを、相手との関係性の違いに応じて、コントロールしているということでした。(●図表2)
次回は【メディカルインタビュー実施時の席の位置関係】についてご説明します。